休学は就職で不利?就活への影響と休学の理由を大企業に内定した3人の先輩に聞いた
就活を控えた大学生の方の中には、自分の強みになることを探して、休学という選択肢にたどり着く方もいるでしょう。
しかし、実際に休学するかどうかを考え始めると気になるのが「休学をして就活に本当に影響しないのか?」でしょう。休学も留年もどちらも1年卒業が遅くなるという事実には変わりませんし、気になるのももっともな点です。
そこで本記事では、休学は就職に影響するのか、休学する理由はどのようなものがあるのか、休学のための費用はどのくらいかかるのか、をご紹介します。
また、記事後半では実際に休学して、就活で大企業からの内定をもらった先輩方5人へのインタビューも掲載しました。
INDEX
大学の休学者は5年で50%増加。
まずは、今日本の大学を休学している大学生は何人くらいいるのかについて見ていきたいと思います。
上記の表を見てみてください。
大学生全体の休学者の数は2007年には4万5千人でしたが、5年後の2012年に約7万人と約1.5倍までに大幅に増加しています
2012年以降のデータが公開されていないのでわかりませんが、上記のような伸び率であれば、2017年には8万人〜10万人の休学者がいる可能性があります。休学という選択が少しづつ学生にとって一般的な選択となってきています。
大学を休学をする理由は?
では、そもそもなぜ大学を休学するのでしょうか?データを見ると様々な理由があることがわかります。下記、文部科学省のデータの引用です。
平成24年度の休学者数は、全体で67,654人、設置者別でみると国立20,491人、公立3,897人、私立42,798人、高等専門学校468人となっている。休学の理由の割合を見ると、全体では、①経済的理由10,486人(15.5%)、②海外留学10,120人(15.0%)、③病気・けが9,865人(14.6%)が順に挙げられている。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/10/__icsFiles/afieldfile/2014/10/08/1352425_01.pdf
学業不振、学校生活不適応、病気・怪我、経済的理由という学生生活を継続できないネガティブな理由が全体の約38%程度を占めています。一方で、海外留学が15%、そして大きいのがその他です。その他は、なにかしてみたいことがあるということなんでしょうか。
いづれにしても、学生生活を継続できないわけではなく、自ら休学を選んでいると考えられるのは、海外留学とその他が全体の6割程度を占めています。
主要27大学の平均休学費用は約22万円
さらに休学するためには、大学に支払う休学費用というものがあります。具体的に言えば大学生が経済的理由、体調不良などで大学に長期間通えなくなった場合、もしくは語学留学、海外インターンをするとために大学を休学する際に、学費とは別途で大学に支払わなければいけない費用のことです。
国立大学の休学費用は無料で、私立はいくらか休学をするためにお金を支払わなければ行けません。早稲田大学だと約10万円、明治大学は約16万円ほど。
他の大学、主要27大学の休学費用についても下記の記事でまとめたので参照してください。
(参考記事:大学の休学費用は高すぎる!主要27大学の休学費用を学部別に調べてまとめました。)
そこで、実際に休学をして、大企業からの内定をもらうことができた方たちに実際に休学中の経験は就活で評価されたのかを聞いてきました!
大企業から内定をもらった休学経験者5人に聞く「休学理由と、就活への影響」
休学中TOEIC400点から915点まで上げて、大企業の内定を決めた東洋大学shotaさんのケース
ーーこんにちは、まずは休学をした理由について教えてもらっても良いですか?
はい、大学3年生の10月頃に1つ下の仲の良かった後輩が、就活に向けて資格取得やTOEIC対策、更にはインターンも始めたので焦り始めたというのが大きな理由です。そして、就活が目前に迫ってきて、スキルを身に付けるなら今しかない!と思ったんです。そこで、何かスキルを身につけるために休学しようと思い立ったんです。
ーーためらいはなかったんですか?
ありましたよ。休学が就活に影響が出ないか不安でしたし、お金もかかるしで、ためらう理由はたくさんありました。
ーーでは、どのようなきっかけがあって休学を決意したんですか?
実は実際に休学した先輩が身近にいたので、その方に「休学って就活に影響するのか」という質問をしたんです。すると、「休学は全く就活には影響はないし、むしろ良いことだらけだよ」と教えてくれたました。その先輩のお陰で休学に踏み切ることができたんです。
ーー大企業から内定をもらうことができたということですが、就活はどうでしたか?
僕は、休学をして、半年間フィリピン留学をしていたのですが、その半年間でTOEICを400点から915点まで515点もあげたということを武器にしてアピールしていました。エントリーシートにも毎回留学経験を書いていましたが、落ちたことは一度もなかったですよ。
ーーどのようなところが評価されたんですか?
実際同じ大学の人で同じくらいの点数を持っている人をほとんど見たことがないですし、そこはほかの早慶の学生にも勝っているという圧倒的な自信があったので、自信を持って就活に挑むことができました。また、周りが大体アルバイトの経験だったり、サークルの経験を語る中で、自分は頭一つ抜けた話をすることができました。
ーーもしshotaさんが休学してなかったらどうでしたか?
もし僕があの時休学していなかったら正直ゾッとします。こんな大企業からの内定をもらうことは絶対にできなかったでしょうし、まともな就活ができていたかどうかすら怪しいです。正直周りの同じ大学の就活生は就活へのモチベーションが低く、いわゆるブラック企業に行ってしまう人が数多くいる中で僕が行く会社はとてもホワイトと評判ですし、休学したおかげで人生を変えることができたと思います。休学してほんと良かったと思います。
shotaさんの休学体験談はこちら
「休学をして人生を変える」大企業への内定を決めた東洋大学shotaさんの休学体験談
【東洋大学の豆知識】
実は東洋大学は大学生の留学を非常に推進しています。TOEIC400点でも25万円の給付型奨学金をもらうことができますし、TOEIC800点あれば、同様に給付型奨学金50万円をもらうことができます。ですので、これをみた東洋大学の学生は絶対に留学すべきです。
東洋大学の奨学金制度が羨ましすぎる!
TOEIC800点以上とって、留学申し込めば、「給付型」奨学金50万円も降りる。
頼むからみんなTOEICなんて速攻でとって留学してくれ。https://t.co/PRaWjZDvzAhttps://t.co/RovUaSQewz pic.twitter.com/WMyRtGXjJR— はじめ@休学ラボ (@hajime0213222) 2017年7月15日
大学4年後期を休学してコンサルティングファームに内定した早稲田大学Ryosukeさんのケース
ーー休学した理由をうかがってもよろしいですか?
はい、私は普通に周りのみんなと同じく四年生の前期は就活をしていたんです。でも、色々面接等を受けていくうちに学生生活の中で何もできていなかった自分に気付かされたんですよね。
何故かと言うと、面接の際に「学生時代に頑張ったこととは?」みたいなことが聞かれるんですけど、バイトでやっていた塾講師ぐらいしか答えられなかったんです。
そんな状況だったので、面接などでは面接官にも良い印象を与えることができませんでした。そこで、このまま就活するより一旦体制を整えるという意味で1年間大学を休学して色々経験してからのほうが就活でも評価されるだろうと考えて、大学4年生の後期から休学しました。
ーーそうなんですね。Ryosukeさんは「フィリピン留学+日本国内でのインターン」の2つを休学中にしたそうですが、それらって本当に就活で評価されましたか?
そうです。語学学校サウスピークに16週間滞在してTOEICの点数を560点から920点と360点上げた後、就活支援を行っているベンチャー企業に10ヶ月間のインターンを行いました。
具体的な業務としては、企業同士の比較などのコンテンツでWEB記事作成を行ったり、就活生のためのイベントを行うための集客をしていましたね。
あと、そのインターンと同時に企業の説明会などに参加して企業研究をしたりと色々としていました。その後、復学して就職活動を開始したところ自分の行きたかった企業から内定をもらうことができましたし、応募した企業すべてから内定をもらうことができましたよ。
Ryosukeさんの休学体験談はこちら
大学4年生後期から1年休学し、大企業へ就職を決めたRyosukeさんの体験談
休学して「留学×インドで海外インターン」をした後、一部上場メーカーから内定をもらえた立命館大学Harukaさんのケース
ーーHarukaさんが休学した理由について伺ってもよろしいですか?
私はとにかく、自分に自信を持てない大学生でした。大学生活を通して、常に「大学卒業後、本当に社会人として生きていけるのだろうか」という不安を抱き続けていたんです。
社会に出る前にどうしても「自信のない自分」を変えたい……、そう考えたときに、私には「休学」という選択肢しかありませんでした。
もともと海外に関心があり、将来的に海外に関わる仕事したいと考えていたことから、休学期間中には海外留学に行き、海外インターンに参加することを決めました。
海外という自分にとって厳しい環境に行くことが、自分に自信をつけるための修行になるだろうと考えたんです。
確かに、「休学したら就活に不利になってしまうかも」という懸念はありましたが、留学やインターンを経験したほうが、就職活動において評価されるだろうという確信もありましたね。
ーー実際に就活ではそれらの経験は評価されましたか?
はい。私は、休学中「留学して、TOEICを700点から915点まで上げて、インドで1人飛び込み営業していたことが間違いなく評価されたと思います。
環境適応能力についてもそうですし、営業の就労経験と実績、結果に対する執着心なども評価されました。ちょうど、私が働いている会社がインドの支社を設立したばかりだったので、その企業がちょうど求める人材になることができましたね。
結論:休学は就活で不利にはならない。
結論。ここまで見てきて、すでに皆さんわかるかもしれませんが休学は多くの場合良い方向に影響します。
なぜなら、休学して1年間卒業が遅くなることよりも、企業が求めるような人材になることの方が圧倒的に優先度が高いためです。
そもそも、就活の仕組みを考えてみれば分かりますが、企業の最重要視していることは、優秀な人材を確保することです。その際に1年周囲の就活生よりも卒業に多くの時間がかかっていることがそれほど問題視されるでしょうか?
ましてや、新卒一括採用を廃止する会社も表れはじめ、ますます卒業時期や、採用時期に対するプレミア感が薄まっていくと予想されるこの流れの中で、です。
(リクルートは今年新卒一括採用をやめました。リクルートは365日間通して応募を受け付けており、なおかつ、27歳まで新卒としてリクルートで就活をすることができます)
(※新・新卒採用|リクルートライフスタイル)
自分にさしたる強みも感じることができないまま企業の面接を回っている就活生と、休学はしたが自分のやりたいことや休学中の経験から自分の強みや弱みがある程度把握できている就活生がいたら、どちらを採用したくなるでしょうか?
4年間で大学を卒業してくる就活生はまさに掃いて捨てるほどたくさんいますが、企業にとって魅力的な経歴を持った就活生、あるいは可能性を感じるような経歴を持った就活生はそれほど多くないでしょう。
そう考えてみると、1年の時間を使っていることはデメリットにはなり得ないことが分かると思います。
この記事を読んで休学に興味を持たれた方は下記の記事も読んでみましょう。
休学で1年間どのように過ごすべきか?大学生が後悔しないための5つの休学プラン
【話す必要ありません】鬱や病気で休学をせざるを得なかった場合
ここまでは休学中にインターンや留学をすれば就活では不利にならないという話をしてきましたが、もしこれらのことができない場合。
つまり、病気や鬱になってしまって休学をせざるを得なかった場合についてお話していきたいと思います。
まず前提として、病気や鬱などの場合は「(それをESなどに書いたり、面接で話したときは)就活に不利」です。
残酷かと思われてしまうかもしれませんが、やはり寛解していても鬱の経験があったり病歴があったりすると採用を忌避されてしまう可能性があります。
しかし、じつはES、履歴書などに鬱であったことについて書く必要はありませんし、面接などでも話す必要もありません。
法律で決まっているわけではないからです。また、おそらくそのようなことを面接などで話すとかなり高い確率で企業はあなたのことを採用しません。
ですので、寛解している場合は基本的には鬱や病歴は書かない、話さないで就活する、というのが現実的な就活方法になってくると考えられます。
(もし、障碍者として就活されるのであれば、また障碍者雇用などの違った道があります。)
参考記事:「病気をチャンスと捉えよう!」病気療養で休学した新潟大学の烈志さんによる休学体験談
就活に役立つ休学、ノースキル文系プランのススメ
それでは、休学中にTOEICの点数を取得し、海外インターンに行くことがどれほど就活で役に立つのかを書いていきたいと思います。
特定の業界を志望する上で、必要なTOEICスコアには必要最低限な水準があります。例えば、外資系メーカー・外資系ITであれば、TOEIC800点以上が求められます。五大総合商社であればTOEIC700点くらいです。
そして、これらの点数を活かして海外インターンに行った先輩方はどこに就職されたのか就職実績を見ていきましょう。以下の様な進路を歩んでいます。
成蹊大学 → 株式会社リクルートスタッフィング
早稲田大学 → 株式会社野村総合研究所
同志社大学 → 株式会社リクルートホールディングス
立命館大学 → 三菱ケミカル株式会社
関西大学 → ユニ・チャーム株式会社
関西大学 → 野村證券株式会社
第二新卒 → 東宝株式会社
追手門学院大 → RIZAPグループ株式会社
立教大学 → 株式会社カネカ
フィリピン留学+海外インターンを通じて、スキルアップを達成した大学生の多くが、就活でも志望先の企業・業界から内定を得ていました。
まとめると、ノースキル文系プランは、「就活を控え、現在の大学生活に疑問を感じながらも、何をすればよいかわからない」、という大学生にオススメのプランです。
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