【複数内定】大学4年前期から留年して中国へ留学した新潟大学Shogoさんの体験談
こんにちは、休学ラボのハジメです。皆さんは中国に行ったことがありますか? 最近、IT化の中心地として深センなどの都市がフォーカスされ、経済成長が著しい国として中国はよく取り上げられる国になりました。
今では日本を抜いて世界第2位の経済大国です。
今回は1年間留年して、そのような経済大国中国に交換留学に行ったshogoさんに中国での生活や、その時の中国語学習について寄稿していただきました。
以前、shogoさんの休学・留学を決意した理由や、フィリピン留学と中国への交換留学についての経験がまとめていただいた記事もオススメです。
休学・留年期間中にshogoさんがどれくらい勉強したのか、それをどう就活で活かしたのかについても書かれているので、休学・留年について考えている人はこの記事も読んでみましょう。
【休学×留年】大学4年前期から中国留学とフィリピン留学をした新潟大学shogoさん
INDEX
「自分は何も積み上げて来なかった」中国への交換留学を選んだ理由
まず、私は大学の第2外国語はフランス語で、大学で中国語を学んだことなど一度もありませんでした。それでも中国交換留学を選んだのは、私の同期に中国を身に着けている人が多かったからです。
私のゼミには沢山の中国留学経験者や中国人留学生がおり、さらに同期が中国語というスキルを身につけて通訳などで活躍していました。その活躍ぶりをみて、憧れのようなものを抱いたんです。
そして、決め手は就活でした。自己分析を通して、自分がいかに何も積み上げてきてこなかったかを再考し、かねての憧れがその時現実味を帯びました。留学を考えてから決定するまでわずか30分でした。
留学した場合、確実に留年するタイミングだったのですが、留年に見合った成果を出せれば良いと考えていたので、そこまで気にしなかったです。
「ご飯が美味しい!」中国留学する際の基本情報
中国での生活面について紹介します。まず皆さんが最初に憂慮されることは大きく2つあるかと思います。
「想像していたよりも、ずっと生活しやすい!」中国の環境
1つは環境面です。私は北京で学んでいましたが、北京の大気は皆さんよくご存知のように、PM2.5という光化学スモッグで汚染されている様子がよくメディアに紹介されています。

これは事実ですが、大気が汚染されているのは大半は冬場で、その中でもおよそ3日に1日程度です。毎日ではありません。他の春夏秋は基本的に晴天で、雨が降ることもなくカラッとしていて、私の住んでいる新潟市と比べるととてもすごしやすかったですね(笑)。
ただ、朝昼で気温が10度ほど変わることもあるので体調には気をつけなくてはならないと思います。
もう1つは反日感情でしょう。中国に渡航したことのない人や中国人と話したことのない人はよく「留学中何か危ないことされなかったか」とか、「日本人だとばれて蹴られたりしなかったか?」などと聞いてくるのですが、1度もなかったですし、周りでそういう話を聞いたこともありませんでした。
たしかに反日感情はあります。さらに北京のタクシードライバーや庶民は政治談義が大好きなので日本の外交問題への非難などよく話しますが、彼らは基本的に国と人を分けて考えるので「日本からはるばる来たのか? ようこそ!」などと個人としては歓迎されることの方がずっと多かったです。
私自身の考えですが、逆に反日感情を持つ人と話ができれば、貴重な意見を聞けてラッキーぐらいに捉えれば良いと思います。
食や住環境、北京の見どころ
次に食や住環境、北京の見どころも紹介しようと思います。
まず中国の食ですが、中国はその広大な領土ゆえに地方によって多種多様な料理が存在し、それらが結集している北京にいると食べ飽きることがありません。


日本人留学生に人気なものとしては、包子(肉まんのようなもの)や水餃子、マーラータン(麻辣湯:激辛スープで煮たおでんのようなもの。ゴマだれで頂く)、西紅柿炒鶏蛋(卵とトマトの炒め物)、そして、北京ダックなどです。
私はお腹が極端に弱いため、辛いものを食べては夜中にトイレに駆け込んでいたので、辛いものがあまり得意ではない方は、は胃腸薬などは必携ですね。

大学の食堂でならおよそ一食200円程度でお腹いっぱいになりますし、中国では出前が発達しているので、格安で注文して寮まで持って来てもらうことも可能です。
住環境としては、私は交換留学生だったので、本来1日1,000円程度の学生寮に無料で入寮していました。部屋は2人部屋でした。他の大学もホテルや1人部屋滞在でない限り基本的に1日800〜1,300円程度かと思います。

北京の見どころですが、この点は名所旧跡が多い北京で学ぶ際に大きなメリットの1つだと思います。多くの観光スポットが広大な北京市内各地に点在し、1年間留学していても見に行ける場所は尽きないといえます。
郊外にある万里の長城へのアクセスも良好ですし、経済発展を象徴するビル群の裏路地は古き良き石造りの家や移動式屋台が存在するなど、町歩きだけで”新と旧”を味わうことができます。
1ヶ月の生活費としては、住居費光熱費抜きで基本的に4、5万程度あれば、旅行もしつつある程度日本料理屋にもいけて満足に過ごせると思います。毎食食堂で食べたり、平日は勉強に集中するなどしていれば3万でも十分だと思います。
北京は物価高が止まらない中で、安いものと高いものが日本の比ではないほど離れており、日本料理は安くても大学や下町食堂の3倍はするので、必要なお金は個人の過ごし方で大きく変わってくるかと思います。
「語学留学では物足りない!?」中国留学での勉強内容について
学校での授業など、勉強面について紹介していきます。
まず、中国交換留学には大きく分けて2種類存在します。1つは留学先大学で中国人学生とともに授業を中国語で聴講し、単位を取ること。もう1つは大学の語学班で、他国の留学生と中国語を専門に習うものです。これはいわゆる語学留学で、私は後者ですので、主に後者についてお話します。
語学留学においては基本的にどの大学でも、午前8:00〜11:30で、その日のすべての授業が終了します。先生は基本的に中国人です。基本科目としては読解やリスニング、会話練習、作文などです。
午後は選択授業で、中国文化の授業(書道など)やHSK対策講座(英語で言うTOEIC +ライティングのイメージの中国語の国際資格)などがありました。基本的にみんな午後は思い思いに過ごしていました。
多くの読者の方は「授業時間が短いな」と思われたかもしれませんが、当然、この授業だけで中国語が話せるようになることはありません。そのため、入学早々中国語のマンツーマンの塾に半年間通いました。
およそ120時間受講し、15万円ほどかかりました。アウトプットの機会が増えたため、それに見合うようインプットの量も増やし、平日は寮に帰ったら深夜まで大学と塾の予習復習、HSK対策などを行なっていました。
大学の授業について、もう少し詳細に記述します。中国の大半の大学では、到着後にレベル分けテストを実施し、レベルに応じた語学班に振り分けられます。
私の大学の授業は筆記、リスニング、面接 の大きく3つで構成されていました。ここで、私のモチベーションに火をつけた事件がいくつか起きました。
【中国の語学留学における、クラス分けのレベル感】
初級班:中国語力はほぼゼロ(TOEIC300点以下レベル)
中級班:日常会話程度(TOEIC500点レベル)
上級班:ビジネスレベル(TOEIC730点レベル)
私は中国渡航前に独学で勉強したので、少しは中国語が分かるだろうと思い、ある程度の自信を持ってクラス分けテストに臨んだのです。しかし、まずテストついて説明する先生の中国語すら分からずパニックになってしまいました。
それを見かねた隣の韓国人留学生が英語で説明してくれますが、その英語すらも理解できず固まりました。読解もリスニングも沈没し、面接時は先生の中国語がまるで分からず、最後は中学英語で試験結果について説明される始末でした。
結果として私は5つ班があるうち、1番下の初学班でした。中国人の先生が簡単な英語で「你好(ニーハオ)」から教えてくれるクラスです。ある程度独学で頑張っていただけに、とても悔しく、それが良いモチベーションになりました。
中国の大学の1年は2学期で、後期のはじめにレベル分けテストが存在します。基本的に、1年そのクラスに滞在するだけで、上のレベルに上がっていくことができます。しかし、より早く高いレベルに行くための飛び級テストなども存在します。
私は1年という限られた期間で多くの成果を出さなければならなかったので、この飛び級テストを受験し、1クラス飛び級して1つ上の中級班から後期を開始することができました。
飛び級するということは、必然的に高レベルの環境にいきなり身を晒すことになるので、最初はかなりきつく授業についていけませんでした。しかし、学期後半は悔しさと焦りをバネに努力して、クラス1位になることができたので、最高の修行だったのだと思いますね(笑)。
また、大学の授業から少しそれますが、大学内で中国人の友達が欲しいのに、学内で完全に留学生と中国人学生が完全に分かれている、交流がない状態に疑問を持っていました。
授業のクラスは留学生しかいないため、意外に中国人と触れ合う機会がないのです。さらにはみんな同じ国籍の友達と毎日つるんでいました。
そこで、中国人学生とも交流したい、ではその機会を企画すればどうか、と思い立ち、留学生と中国人学生の交流会を開催しました。結果的に100名程度が交流する機会を提供でき、私自身も今でも連絡を取るような中国人の友達を得られたので、良い経験となりました。
北京市内には多くの日本人学生と中国人学生による団体が存在するので、それに参加することで交流の機会をつかみに行くのも良いでしょう。実戦で鍛えて行くことも語学上達には必須です。
私自身はこれらの活動のかいあり、留学8ヶ月目にHSK6級に合格(TOEIC730〜)することができ、明示的かつ説得力のある成果を残すことができました。
中国語力はどれくらい必要だったか
正直苦労しますが、語学留学なら中国語力がゼロからでも行けてしまいます。初学班においては先生が簡単な英語や中国語で説明してくれます。ただ、ネイティブと簡単な会話ができるあたりからの伸びが大きいので、中級者程度、HSKなら最低4級(簡単な会話ならなんとかなる程度、TOEICなら500程度)以上がベターです。
留学先で授業を聴講するのならHSK6 級(TOEIC730〜)相当の実力がないと全く理解できないと思います。
私はほぼ中国語力がゼロのような状態で渡航し、これまでにないいような屈辱を感じました。これはこれで私にはモチベーションになったので良かったのですが、事実怖くて外に出られなくなってしまう留学生も少なくありません。きちんと勉強して中国へ行くべきでしょう。
また、せっかく中国にいるので、中国人と話せる方が良いに決まっています。これは私の肌感ですが、中国語が話せる人の多くが中国人と触れ合う機会を自らつかみに行っていました。
これは中国語を勉強しはじめた人がいきなり国外で実行するのには勇気がいることです。自らの行動をアシストする自信を持たせるためにも机に向かう勉強を日本でしておくことをオススメします。
理想の留学像として、行けばなんか話せるようになる、とかシャワーのように外国語浴びてれば伸びるといったものをよく耳にしますが、残念ながら嘘だと思います。語学を留学で伸ばした人たちの裏には壮絶な経験と努力があるものです。
受け身ではなく、自ら成果を残しに行こうとする気概を持って留学に望んでください。
メーカー、商社、銀行 の3つに内定! 就活で留年で得た経験をどのように活かしたか
就活時には中国留学とフィリピン留学で自分が行ってきたこと、およびその成果をアピールしていきました。内定を下さった企業は、メーカー、商社、銀行 の3社です。
昨今は国内メーカーや商社の売り上げに占める国外売り上げが年々上昇している中で、中国留学の経験は面接官からかなり深掘りされました。
中国語のニーズの高さを感じましたが、自分がなぜ、どのような目標、目的を持ち、どのようにそれらを達成したのかを数字を出しつつ説明する中で、先の交流会開催やHSK合格などは大きな効果を発揮しました。
私は中国交換留学とフィリピン留学で結果的に2年間在学期間を延長しましたが、就活中にそれがネックになることは全くありませんでした。
むしろ、人生の岐路に立った時に、留学、留年、休学を選択できた決断力を評価されたので、ポジティブな留年と捉えて物怖じする必要はないです。
昨今は留学に行く日本人も珍しくなくなってきているので、留学だけで差をつけることは不可能です。留学先で結局何を成したのか、ということが重要になってくるので、これから留学に行く方々には、行くだけで満足せずに自ら貪欲に上へ向かって行ってもらえればと思います。
留年×中国留学でかかる費用と手続き
下記がshogoさんの中国留学の際にかかった費用と手続きです。
・留学費用 10ヶ月の中国への交換留学で新潟大学への授業料54万+生活費大体6万円×10ヵ月+マンツーマン塾代15万円
・交換留学の仕方
まずは指導教官に相談して、学科内で中国留学関係の担当の教授の所で、学務に提出する交換留学手続き書類を受け取り、期日内に学務に提出するという流れでした。指導教官の印鑑が必要です。応募者が定員を超えなかったため、面接など選考試験は行われませんでした。
・留年の仕方
基本的に留年にかかる特別な手続きは必要ありませんでした。
まとめ
いかがでしたか? 英語も中国語も同じく、楽に身につけるということはできませんね。しかし、その苦労を通して身に付けた力こそが就活でも評価されますし、shogoさんが複数の企業から内定を手に入れることができた理由です。
今就活に悩んでいて、休学や留学を考えているかたは、できるだけ楽することを考えずに、死ぬ気で英語や中国語を勉強してみてください。明示的な成果を上げることができれば、就活でも評価されるでしょう。
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hajime
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